多くの人達が先週に峠を越えたと信じていた。
それが昨日の急落だろう。
ハンガリー含む東欧はぼろぼろ、東欧経済への依存度が高いロシアもこのままでは危ないだろう。
米の財政赤字削減案も合意に至らなかった。
結果として、防衛費や国内支出で1,2兆$の歳出削減が自動的に発動されそうだ。
だが、これが実行されるとしても、2013年から10年間のこと。
ということは、来年の選挙でメンバーが変われば再考される可能性もある。というよりされるだろうな。
そもそも、米が格下げされようが、また他国が連鎖的に格下げされるので、相対的な米国債の地位は常に変わらないようになっている。それが今の世界経済。
それにしても今回の欧州危機で、中国系マネーが欧州企業の買収に動いてくるかと思ったが、非常に静かだったことは意外だった。
中国国内では、不動産の値下がりや金利の上昇で逼迫した企業や個人の破産申告が増加中のようだ。
今回の件で中国が外の混沌に構っている余裕がないことが証明されたと言える。
相場という観点でいうと、加速してきているので、今週来週は相当警戒した方がいい。
しかし、ここで一気に急落してくれたら、しばらく(来年の1-3月期くらいまで)反転してくれるかもしれない。もし自分が買うなら取り合えず金と上海(経済は厳しいがボトムをうったかと)だろう。
実はマーケットってのは一気にクラッシュした方が戻りが早いと言われている。
2008年の金融危機から回復が早かったのは、一気に急落し、焦って世界各国が全精(+財)力を投入したお陰で早いタイミングで経済は刺激され、中国やその他の新興国経済の勢いにも助けられ急回復した。
しかし、今回は各国ともに前回出し切ったせいで、その余裕もないことはさることながら、米のリーダーは当時のカリスマ性もなく(新星のごとく現れたオバマ氏が大統領になったのは2009年1月)、欧州も各国の力が開き過ぎてしまった。独と仏の二強の構図が鮮明になっている。
英も若者失業率や財政問題など、外のこと気にしてる場合ではない。
頼みの綱である(米債を金融危機後買い支え続けた)中国も今やインフレと景気減速リスクの舵取りに追われ、コストが上昇したせいで中進国の罠にはまりつつある。
世界は2008~09年に公的資金大量投入と多額の財政出動という麻薬を服用。
政策金利も急激に下げた。ある意味賭けだったが世界経済は幸運にも既出の理由で回復。
麻薬は当然切れるわけだが、各国は完全に体制再考を怠った。
ウォール街は多額ボーナスだし、そりゃ怒るわ。ただ一時的には問題ないと思ってる。
上記にも書いたが、しっかり急落したら、しばらく相場は戻すだろう。キッカケは米は議員が変われば財政赤字削減も再度検討されるという事実+ついに独債が入札割れしたことでユーロ安に居心地の良さを感じてた独が真剣に動くってとこかね。
何れにせよ、ボラティリティーの高い相場になりそうなので注意が必要。