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欧米訪問その10 【ニューヨーク】

振り返れば、生まれて初めてパスポートを持ち、海外に行った2009年の1月以来のNYC。

あの時は、Yes/NoとThank youくらいしかろくに言えずに、“The Positive”である自分が本当に本当に落ち込んだのを覚えている。

そういった意味でも、何もかもを不便なく、ウォールストリートの世界トップのプロフェッショナルとビジネスMTGを何本もこなしながら、2年間でついにここまでこれたと感慨深いものがあった。

(※)余談だが、英語を本気でやるには、実際に本気で悔しい思いを何度もすることが大事だと信じて疑わない。そのようなパワーが圧倒的なモチベーションを人間に注入する。 

2日間と半日の滞在だったが、プライベートバンク・ヘッジファンド・有力ベンチャー・インベストメントバンク・コンサルティングファームに加え、2つのネットワーキングイベントに参加、かつNYCで活動している旧友達と再会するなど、非常に中身の濃い時間だった。

書けない事が多いが、なるべく一般化して、共有できる範囲で書いてみたいと思う。

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(金融の聖地、Wall StreetとNY証券取引所)

 

<金融関連情報>

・日系では、NYCではMUFGが銀行850人の証券150人と計1000人体制と非常に強固な体制を組んでいる。

・また、モルスタとの提携業務はアメリカでも行っているため、相乗効果が出始めているようだ。

・日系の金融機関は、過去は現地進出日系企業を対象にビジネスをしていたが、近年は対日系だけじゃないビジネスモデルを追及し始めている。(この状況はロンドンで聞いた日系金融動向に同じ)

・あるプライベートバンクのオフィスについて、来客用のフロアーへ通されたが、超高級な絵画があちこちに飾られていて、フロアー自体が美術館のようであった。日本でのウェルスマネージャー時代のお客様から、モルガンスタンレーなども同じように高級感のある来客室やフロアーになっているとのいうのを聞いたことはあったが、想像以上の作りであった。

・ちなみに、MTGルーム内も、まるでホテルのスイートルームのようにセットされていた。フルーツやケーキがテーブルに並んでおり、コーヒーやジュースなどもフリーサービスでセットされている。

・アメリカのプライベートバンクには様々なタイプがある。アメリカの証券大手はUBSウェルス、モルスタ・スミスバーニー、バンカメ・メリル、そしてウェルズファーゴであるが、JPモルガンやバーンスタイン、そしてロスチャイルドなどはまた違ったポジションニングでプライベートバンキングビジネスを行って成功している。銀行系の所謂、顧客の預金という手厚いバランスシートを保有しているプライベートバンクとしては、ブローカレッジモデルではなく、アセットアロケーションにフォーカスし、フィーモデルを追求しているケースがほとんどである。

・NYの隣であるコネチカット州には多くのヘッジファンドやハリウッドスターなどの有名人が住んでいる。そこにも多くの顧客を持つ。NYは金融系の富裕層を担当することが多いが、西海岸では経営者達のビジネスが多い。地域によって顧客の特性が大きく異なる。(訪問したブリッジウォーターもコネチカットが本拠地)

・プライベートバンクのイベントの例として幾つか面白い話を聞くことができた。あるPBが、昨年ビルゲイツの妻メリンダ・ゲイツをセミナーに招待した。テーマはフィランソロフィーでビル&メリンダ・ゲイツ財団の設立やチャレンジなどについて講演。150~160人の超富裕層顧客が参加しその内、約130人が既存顧客だがその他の20~30人程度は新規顧客であった。その他も、アートオークションを主催したら多くの新規顧客が参加し、そこから数人の大きな顧客を開拓することができた。他にも、この数年で有名になっている子女教育についてのプログラムなどに関しても、どこのPBも力を入れて囲い込みに取り組んでいるようだ。教育内容に関してはプライベートバンクや経済など多岐に渡る。

・やはり金融最先端のウォールストリート、最新のガジェットとの取り組みなどの情報も聞けた。例えば、顧客へのレポーティングについて、顧客が24時間オンラインで資産をチェックできるシステムを提供する金融機関が増加しているそう。これらのアプリケーションをiPhoneやiPad向けに提供している。

 

(所感)

・今後は、預金に加えて、株・債券・投信・ローン・不動産など、全資産をリアルタイムで把握できるようなアプリケーションを開発していくのだろう。

・メリンダ・ゲイツやオークションの開催などに見られるように、超富裕層のコミュニティーを自身で作り上げることのメリットを大きく感じた。ただでさえアプローチすることが大変な超富裕層達が自然と集まってくるようなコミュニティーを自社で育てあげることはどこの超富裕層ビジネスでも大きなチャンスであると考えられる。ちなみに自分の過去の顧客や見込み顧客中には、IPO予備軍やこの5年間でIPOをしたような経営者が多かったが、彼らが口を揃えて言っていたのは、以前金融機関が行っていた若手起業家の交流会が非常に有益だったということ。そのようなコミュニティーをどう作り上げるかは、いかにして効率的に開拓するかということに繋がることと考えられる。

・今回の出張で、ある会社のクオンツチームとMTGができた。その中で気付いたことだが、超富裕層へ機関投資家と同じようなアセットアロケーションやリスクマネジメントを提供することは可能であると考えられる。もちろんそれなりの規模であることが条件ではあるが、クオンツから機関投資家向けに提供しているポートフォリオやそれを可能にするシステムを超富裕層に向けて提案するのは可能かもしれない。ゴールドマンのPBチームは機関投資家チームと非常に密接に動いているのは有名ではあるが、それなりのサイズの個人顧客にはそのような提案で他社と差別化することは大きなビジネスになると考えられる。

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(MTGの多かったWorld Financial Center周辺)

 

<その他の情報>

・Linkedinで発見し、興味深かった2つのネットワーキングイベントに参加した。

・参加者は35~40歳前後が平均で、金融・不動産・保険の業界からの人達が多かった。

・ロンドンでも朝食などでのネットワーキングイベントなどが多かったが、アメリカでも非常に多く毎日のように行われているとのこと。

・その中で聞けた興味深い話は以下。

・不動産関連の方々の話では、マンハッタンの不動産の賃料は再度上がってきているとのこと。徐々にお金が抜け始めているアジアと逆に、先進国に資金が回帰しているように感じられた。

・KPMGは会計士もコンサルも含めて、アジア各国の拠点から毎年数名を若手中心にアメリカやロンドンに約2年間トレーニーとして送り出している。 ・金融機関はNYCに本社があるが製造業系はNew Jougeyにアメリカ本社があるケースがほとんど。

・アメリカアフラックは日本からの利益が大きかったから、現在補償額が膨大な数字になっており、緊急事態とな っているとのこと

 

(所感)

アメリカでは飛び込み外交は極めて難しい。なぜなら、特にビルに関しては。一回のセキュリティーでどこの誰とアポがあるかを明確に伝え、セキュリティーがその会社に確認するまでは中に入る許可すらでない。しかし、このようなネットワーキングの機会が多いことが非常に大きなビジネスチャンスになっているのだろう。しかし、中国人や韓国人はたくさん来ていたが、日本人は1人だけでした。

 

<竹川氏との面談>

・ずっとずっとお会いしたかった朝日ネットインターナショナルCEO竹川氏と出張スケジュールが一致。NYCでMTGしてもらえることになった。

・竹川さんは、ハーバードのビジネススクールを卒業後、勤めていた大手金融機関を辞めて、シリコンバレーからまともにファイナンスした数少ない企業であるフィルモア・アドバイザリーの共同創業者として起業されました。そして、現在は朝日ネットにヘッドハントされ、朝日ネットインターナショナルのCEOとして、グローバル戦略を指揮っておられます。

・将来おそらくどこかのタイミングでハーバードのEMBA(Exective MBA)に行く可能性が高いので、MBAの話を聞いた。HBSについては、「学んだ知識が役立のもそうだが、特にケーススタディで鍛えた反射神経が実際のビジネスに物凄い役立っている。(特にDesition making時に)」「MBA受験はスポーツだと思うとのこと、戦略を築いた後はたくさん練習するだけ、面接もどれだけ準備するか、あとエッセイが勝負。」などの意見。

 ・自分自身が教育に対する熱い想いがあるので、竹川さんが成し遂げたいこととして仰られた「教育で世界を平和にしたいのと、アジアと日本の架け橋になりたい。」という話で完全に意気投合しました。

・尊敬できるメンターが一人増えたことで、更なる成長の機会を頂けたと感じている。竹川さんありがとうございました。